業務妨害罪で逮捕された後は? 有罪回避のためには

業務妨害罪で逮捕された後は? 有罪回避のためにはコラム

業務妨害罪は昔からある犯罪ですが、ネット時代になって非常に目立つようになりました。

多くはいたずらや、不満の解消などの愉快犯によるものです。

警察がやってきて逮捕となると、さすがにもう取り返しのつかないことになります。

業務妨害罪で逮捕後、どうなるかを見ていきましょう。

業務妨害罪とは

業務妨害罪とは、他人の正常な業務を妨げる犯罪です。

会社や官公庁などの業務だけでなく、ボランティア活動なども業務に含まれます。

妨害の態様で大別し、威力業務妨害罪と、偽計業務妨害罪とに分かれます。どちらも、ネット上で軽々しく投稿する「バカッター」たちにしばしば適用されています。

威力業務妨害

威力とは、「力をもって」ということです。

いたずら電話を延々と掛け続けるのもそうですし、いわゆるバイトテロの、食材で遊んでいる動画を撮ってアップする行為などが、威力業務妨害に該当します。

偽計業務妨害

偽計(ぎけい)というのは人を欺くことです。

会社に爆破予告電話をするであるとか、SNSに特定の企業に関する嘘の情報を挙げて、正常な業務を妨害するなどの行為をすると、この犯罪に該当します。

コロナ禍で流行した「俺コロナ」も、それにより閉店、消毒などが発生したため、偽計業務妨害罪に該当します。

業務妨害罪で逮捕されたら

業務妨害罪は、加害者の認識としては軽いいたずらだというものが多いです。

もちろんいい大人のしたことであれば、いたずらでは済みません。SNS等で特定の企業の活動を妨害したりなどすると、その後逮捕状により逮捕され、警察署に連行されることもあります。

特に威力業務妨害の場合に顕著ですが、犯罪の現場で現行犯逮捕もあります。

ただSNSでのいたずらの場合、証拠が残されているので、この証拠をもって、逮捕状により逮捕されるケースが多いでしょう。

逮捕というものは、これ自体は処分ではありません。

逃亡や証拠隠滅阻止などの、必要性が求められます。この点、業務妨害罪は、必要性が認められやすい犯罪です。

世間も、「いたずらなのに逮捕とはかわいそうだ」などとは、まったく思ってくれません。むしろ他の犯罪以上に許せないと思うでしょう。

逮捕から取り調べ、勾留

 逮捕すると強制的な取り調べが始まります。

SNS関連の犯罪の場合、スマートフォンやパソコンを押収しての取り調べも行われることでしょう。

逮捕から48時間経つと、身柄が検察に送られます(送検)。送検後24時間以内に勾留の決定がなされると、さらに最大20日間留置場に居続けることになります。

業務妨害は釈放されにくい

逮捕後は、必ず勾留まで進むということはありません。証拠が出揃い、加害者本人も罪を認めているのなら、釈放されるのが本来です。

ただ業務妨害もさまざまで、中にはネットを駆使した、用意周到かつ悪質なものもあります。このようなケースでは、なかなか釈放されないでしょう。

また、直接的な威力業務妨害の場合など、安易に釈放すると新たな犯罪が起こりかねません。

起訴・裁判を回避するには

被害者のいる犯罪の場合、示談を成立させることで、起訴を免れることがあります。

最終的には検察の判断になりますが、被害者の被害感情が、示談金の支払いと謝罪で薄れた場合にまで、刑事裁判をする必要はないと考えられるからです。

不起訴が決定されれば、捜査の必要性はほぼ消滅します。勾留が続いていても釈放されますし、前科も付きません。

被害者と示談する

加害者は逮捕後勾留されていると、自由に行動できません。

被害者と示談するのは、刑事弁護人(弁護士)の仕事となります。

業務妨害で被害者に与えた損害を賠償し、さらに示談金まで支払うならば、示談を成立させられる可能性があります。

特に業務妨害罪の場合、刑罰とは別に、民事による損害賠償を避けて通れません。そちらまで一挙に解決するのが弁護士の役目です。

そしていたずらの多いこの犯罪については、謝罪と、二度としないという反省の気持ちを明確に示すことが求められます。

「自分は悪くない」は禁物

逮捕までされるとさすがに考えが変わる人が多いはずです。

ただし業務妨害罪はそもそも、「自分もやりすぎたかもしれないが、相手が(も)悪い」と思う、自己中心的な人のやりがちな犯罪です。

バカッター犯罪で、被害者(多くは雇用主)に恨みのない場合も、得てして「大したことをしたわけじゃない。悪いのは同僚」と責任を転嫁しかねません。

きちんと反省している点を明らかにしないと、いつまでも留置場を出られないでしょうし、裁判に進んで有罪となるかもしれません。

業務妨害罪で逮捕されたら弁護士に相談を

業務妨害罪は悪いことをしたと自宅していないことが多いので、事前に対策するのは難しいかもしれません。それでも、逮捕後は速やかに刑事専門の弁護士に相談してください  。

家族からの依頼でもOKです。

弁護士の活動次第で、前科が付かなくて済むかもしれません。もちろん、被害者に対する賠償等も含めた費用は必要です。

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